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シンジーテックのクリーニングブレード
電子写真高画質化のトレンドとして、トナーの変革が上げられます。具体的には従来の粉砕トナーから粒径の微細な重合トナーへの変更です(下図参照)。重合トナーは、微細であるだけではなくその形状が球形のため感光体上の残存トナーのクリーニングが非常に難しく、周囲の環境変動を受けただけでクリーニングが出来なくなることもありました。
プラスチックを熱で溶かし冷やし固めながら、強い気流で壁にぶつけ砕いてできた『粉砕トナー』は、大きさや形状が不均一なため画質が荒く、感光ドラムや用紙の上で転写する際にばらつきが出やすいといったデメリットがあります。
樹脂と着色剤粒子を化学反応で結合させてつくられる『重合トナー』は、粒子の大きさがそろっていて、形状も球形に近く、粒径も小さいため、高詳細画質化を実現でき、また低融点なため定着温度も低いのが特徴です。
そこで、重合トナーをクリーニングできるブレードゴムとして、環境変動が少ない材質が望まれていますが、これに応えるため、当社では原料ポリマーと架橋構造まで含めた理想的な設計開発を行いました。この新規材質は、ブレードとして特に重要特性である反発弾性の温度依存性が従来材質に比べてよりフラット化され、環境変動に対して安定なクリーニング性能を発揮できます。お客様毎のブレード設定条件に対応できるように、硬度・反発弾性のラインアップを揃え、ほとんどの電子写真方式に採用されています。